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浄土真宗(本山:京都市東本願寺:お東) 真宗大谷派:しんらん聖人のお寺 

『Tariki Echo』


 

巷で話題の浄土真宗の現役の住職によるダンスミュージックユニットTariki Echoにインタビュー
転載元:http://tarikiecho.jp/
浄土真宗の現役の住職によるダンスミュージックユニット、Tariki Echoが3月21日にアルバム「ブッダ・サウンド」をリリースした。Tariki Echoは島根県にある龍教寺の住職・釈一平(龍山一平)と、埼玉県にある善巧寺の住職・釈明覚(榎本明)によるユニット。多くの人々に持たれているお経のマイナスイメージを覆すべく、お経とダンスミュージックを融合させた楽曲を制作している。

お二人はどうやって知り合ったんですか?
釈一平(龍山一平):学校が一緒だったんです。僕は高校のころからバンドとかやってんですが、彼は(榎本明)はDJでと言う感じで、音楽性は全然違う感じだったんですが、共通の趣味で音楽があったと言う感じですね。

明覚(榎本明):築地本願寺の中にお坊さんになるための学校があって、そこで一緒だったんですが、僕は子供のころからピアノを習っていたこともあって、学校に置いてあるグランドピアノを授業が終わると弾いていたんですよね。あの頃ふざけて、こういうのができたらいいなあと話していたのが、今回リリースしたアルバムになったという感じですね。ただ昔考えていたものよりは高尚になりました。

アルバムが生まれるまでの経緯を教えてください。
明覚(榎本明):私はずっとDJをやっていたことものあって、どちらかというと耳で音楽を聴いていて、一平はミュージシャンとして活躍してきたという背景があったので、二人の感性を合わせたら、何か面白いものができるのではないかと考えたんですよね。

釈一平(龍山一平):宗教音楽で荘厳な感じのアンビエントミュージックで表現すると言うのは、誰もが思いつくことだろうと思うんですが、お経をポップに聴かせることをテーマにした音楽は今までにないと思ったんですよね。昔はパロディで考えていたんですが、今こうやって実際に形になってみると、ポップとドープのバランスが取れた作品になっていると思います。

明覚(榎本明):街からお経が流れてきたらいいなと思ったんですよね。昔は日常にお経があったんですが、今はそういう状況ではないので、そのあたりが変わったらいいなと思って作りました。

釈一平(龍山一平):でも彼が作るトラックは完ぺきなダンストラックなので、ポップではないトライバルビート(笑)ひねりを加えずに制作すると、そういう感じになると思うのですが、今回は多くの人にお経が身近なものであると思ってもらう事だったので、想像も付かないような伴奏を乗せています。

明覚(榎本明):トライバルなビートだけだったら、間違っても街からは流れてこないもんね(笑)


このアルバムで表現したかったことを教えてください。どんなことを歌っているのでしょうか?
釈一平(龍山一平):お経は短いものもあれば、40分を超えるような長いものもあって、今回のアルバムに収録したものは、内容というよりコンパクトにお経の楽しさを伝えることができるものを選びました。お経はレゲエやダブにフィットするなと思ったんですよね。

明覚(榎本明):ライナーノーツは僕が書いたのですが、この中にそれぞれの楽曲に用いたお経の意味を書いてありますので、そちらをご覧いただければと思います。音楽的に楽しんでいただけるように曲順は決めましたが、当初は法要を意識したような並びというのも一案としてありました。ただ、最初の曲と最後の曲は本来のお経の流れに則った形になっていますが、その他の部分は自由な発想です。自由と言う意味では築地本願寺で行われる仏教青年会の成人式で、仏教讃歌という歌があるんですが、それをハウスアレンジしたりして、歌ってもらったりしたことがありましたね。

釈一平(龍山一平):誤解のないように言うと、ずっと音楽ばかりやっていたわけではなくて、仏教の勉強もしっかりやってました(笑)


お経にマイナスイメージというのはあるのでしょうか?
釈一平(龍山一平):お経はインドから伝わったものですが、元々は文字ではなく、口伝えに伝わっていったものです。その過程で節がついて、それが中国に渡って漢字に置き換えられたわけです。
葬式の読経のイメージが強いためか、怪談とかのBGMにお経がよく使われていますが、実はお経って難しいわけでも、怖いものではなく、楽しいものなんですよ。

明覚(榎本明):例えば、この仏様が素晴らしいので、この仏様をほめたたえるために舌を天高く伸ばして!みたいな内容のものがあります。何故舌かと言うと、褒めるために口を使うじゃないですか?なので、ここでは、ほめたたえる象徴で舌という表現が使われています。
他にもいろいろあるんですが、明るい内容のものが多く、早く成仏してください。という内容のものだけではないんですよね。楽しい内容であるにも関わらず、それが伝わらないのはもったいないので、それを伝えるためにこのようなスタイルになっています。


なぜそういうイメージになってしまったのでしょうか?
明覚(榎本明):お葬式にしか使われなくなってしまったということと、お寺にあまり人が行かなくなった事が原因ではないでしょうか。

釈一平(龍山一平):昔はお寺は集う場所で身近なものだったんですが、最近では核家族化も進んで、お寺の役割が変わってしまったと感じています。法事と葬式の時のしかお経を聞かなければ、あまりいいイメージを持つ人はいないのではないでしょうか。

他力というのは一般的にはよくない意味と誤解されていますが、あえてその言葉をユニット名に用いたのはなぜですか?
釈一平(龍山一平):他力本願という言葉は一般的には間違った使われ方をしていますよね。それこそ、本当の意味を伝えるのは坊主の役目なのではないでしょうか?宗教を伝える上で歌というのは切り離せないですから。

明覚(榎本明):我々の音楽を聴いて、その言葉に興味を持って、本来の意味を知ってくれたらいいですね。世の中は悲しいことや辛いことが多いので、お経を聴いて、ハッピーになってほしいです。浄土真宗のお坊さんは音楽をやっている方も多くて、例えば、二階堂和美さんはそうですね。


最後にメッセージを
釈一平(龍山一平):坊さんの立場から言うと、お経を覚えることに役立ちます。お経文はウェブに掲載されていますので、そちらをご覧ください。坊さん以外の人にには、そうですねえ、海でながれているようなBGMに使ってもらいたいですね。 

明覚(榎本明):美容院とか、白金のカフェとかで流れたら最高です。夏フェスとか出たいですね!








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